ORIKATA 2016
ギャラリ-ギャラリ- / 京都 2016
-布にひそむ表情をひきだす- という制作意図のもと、同素材で約18年制作を続けている。一枚の布の可能性がどこまであるか、そして自身の創作力がどこまでかを確かめるように一つの素材にこだわり制作を続けている。他の素材に魅力を感じる時もあるが、もう少し続けようと考えている。 タイトルのORIKATAは、紙を折って物を包む日本の礼儀作法からきているが、そのような様式にとらわれず、折りたたむ・折り重ねることで、効果的に極薄布の表情の変化をいかすことをめざしている。 時には染色行為をほどこすが、その場合は「黄」を用いる。色には様々な意味があるらしいが、私の場合は光を色にしたら「黄」になる。
撮影 矢野 誠 photo by Yano Makoto
Contemporary NOREN展
京都芸術センター / 京都 2015
祇園祭の最後の神事となる「疫神社夏越祭」(えきじんじゃなごしまつり )が7月31日おこなわれます。これで祇園祭は幕をとじます。この半年の罪のけがれを祓い、夏以降の疫病除けを祈願する行事です。 素戔嗚尊(すさのうのみこと)に旅の宿を供して、難儀を救ったといわれる蘇民将来(そみんしょうらい)が、素戔嗚尊(すさのうのみこと)の教えに従い 腰に茅の輪を下げたところ子孫代々にいたるまで災いなく栄えたという 故事にちなみ、茅の輪をくぐる神事が伝わります。 わたしは“茅の輪のれん”をくぐることで、茅の輪くぐりによるご利益があればと、祈り、制作します。
撮影 矢野 誠 photo by Yano Makoto
fukuro
ギャラリーギャラリー / 京都 Gallery Gallery / Kyoto 2014
袋は面白い。布団も防寒のために綿や羊毛、羽毛をつめた袋だ。クッションもしかり。カンガルー、コアラなど有袋類は袋状の嚢のなかで育つ。袋のついた言葉を探ってみた。 胃袋、餌袋、科袋、歌袋、格袋、岩袋、弓袋、弓袋、魚袋、手袋、足袋、福袋、慰問袋、空気袋、堪忍袋、救助袋、窮屈袋…袋をつけたら、なんでもありみたいだ。日本人はよほど袋が好きみたいだ。
自作の大きなテーマは「布にひそむ表情をひきだす」だ。一枚の布を幾重にも祈り重ね、うちにひそむ、うごめきを抱く袋を制作した。はたしてなんと言う袋だろうか?
撮影 矢野 誠 photo by Yano Makoto
祇園祭展 / Gionmatsuri (Gion Festival) Exhibition
染・清流館 / 京都 Somé Seiryukan / Kyoto 2009
東大寺の二月堂の焼経に魅かれた。
二月堂に納められた紺紙銀字華厳経は、江戸時代、二月堂が焼失したおり、焼け跡の灰の中から発見された。いずれも上部か下部に焼痕があり、その焼け跡の諧調が美しく「二月堂焼経」と呼ばれて珍重されている。そのような焼経にひかれたのは、以前から少しずつ金銀箔と腐食効果を使った作品を制作していたからだ。
山鉾とともに、祇園祭、祗園ばやし、洛中洛外、蘇民将来之子孫也、山鉾巡行、茅の輪、神輿渡御、夏越祭、花笠巡行など祇園祭にまつわる文字を用い、祭の喧騒とそれとは逆のうら淋しさが伝わるように制作した。
撮影 矢野 誠 photo by Yano Makoto